口腔ケアの効果
口腔ケアについてまとめていきます。
口腔ケアの効果
- 唾液の分泌促進
- 発熱予防
- 誤嚥性肺炎の予防
- 認知症予防
- 心筋梗塞・狭心症などの予防
- 糖尿病予防
- 総医療費の削減
大まかに以上のようなことがあると思います。
唾液の分泌促進
唾液は耳下腺(25g)、顎下腺(15g)、および舌下腺(2g)の大唾液腺から主に分泌される。
唾液は口腔内の洗浄、催滑、消化、溶菌、歯の保護作用や重金属の排泄作用などがある。舌小帯が上下する刺激で舌下小丘が開口し,唾液腺開口部から分泌される.唾液分泌は自律神経系の支配を受けるため,自分自身で分泌をコントロールすることはできないが,舌の動きと連動し唾液分泌を促すこともできる。
対照群(従来の口腔ケア) VS 介入群(従来の口腔ケア+舌の上下ブラッシング)の唾液量の比較
従来の口腔ケア:10 倍オキシドール希釈液を使用したブラッシング法で,最後に 100 倍ネオヨジンガー
グルを浸したガーゼで口腔内を清拭
結論:従来の口腔ケアと舌の上下ブラッシング法は唾液分泌を促進できた.
舌の上下ブラッシングによる唾液分泌促進効果 Japanese Journal of Nursing Art and Science Vol. 5, No. 2, pp 32─ 34, 2006
発熱予防
特別養護老人ホーム入所者の366名
介護者の通常口腔ケア群(184名) VS 通常口腔ケア+歯科医師or歯科衛生士による週1~2回の口腔ケア群(182名)
2年間に7日以上の発熱を発生した者は,口 腔ケア群27名(15%),対照群54名(29%)と対照群で有意に多 かった(p<0.01)。
米山 武義 他:口腔ケアと誤嚥性肺炎予防,老年歯学 第 1 6 巻 第 1 号 2 0 0 1
誤嚥性肺炎予防
口腔ケアと細菌数
本人による通常口腔ケア群(8名) vs 歯科衛生士による徹底的な口腔ケア+本人による口腔ケア(7名)
咽頭細菌叢の摂取によって細菌数の比較
その結果,総細菌数は,対 照群 では2ヵ月目以降徐々に総細菌数が増加していったのに対し,口腔ケア群では調査期間中減少し続け5ヵ月目には開始前の約1/10となった
肺炎発症率
特別養護老人ホーム入所者の366名
介護者の通常口腔ケア群(184名) VS 通常口腔ケア+歯科医師or歯科衛生士による週1~2回の口腔ケア群(182名)
2年間の肺炎発症率
肺炎を引 き起 こした者は,口腔ケア群21名(11%),対照群34名(19%)で あ り,対照群の方が有意に多く発症してた(P<0.05)。
米山 武義 他:口腔ケアと誤嚥性肺炎予防,老年歯学 第 1 6 巻 第 1 号 2 0 0 1
認知症予防
口腔ケアと認知機能の低下に関する介入研究は2編80,114)報告されており,どちらも口腔ケアを受けている者は口腔ケアを受けていない者に比べて,MMSE による評価で有意に認知機能の低下が抑制されていた.
認知症に対する口腔保健の予防的役割 日本口腔衛生学会 口腔衛生会誌 J Dent Hlth 67: 251–259, 2017
Kikutani T, Yoneyama T, Nishiwaki K et al.: Effect of oral
care on cognitive function in patients with dementia. Geriatr
Gerontol Int 10: 327–328, 2010
Yoneyama T, Yoshida M, Ohrui T et al.: Oral care reduces
pneumonia in older patients in nursing homes. J Am Geriatr
Soc 50: 430–433, 2002
認知症の認定を受けていない65歳以上の住民4,425名を対象とした4年間のコホート研究の結果、年齢、治
療疾患の有無や生活習慣などに関わらず、歯がほとんどなく義歯を使用していない人は、認知症発症のリス
クが高くなることが示された。特に、歯がほとんどないのに義歯を使用していない人は、 20本以上歯が
残っている人の1.85倍認知症発症のリスクが高いことがわかった。さらに、歯がほとんどなくても義歯を
入れることで、認知症の発症リスクを4割抑制できる可能性も示された。
心筋梗塞・狭心症などの予防
心疾患の頻度は,歯周病のない人たちでは, 8%であるのに対して, 歯槽骨吸収軽度の場合は, 17%と2倍になり,歯槽骨吸収高度,すなわち重症な歯周疾患を持つと心疾患を持つ割合がない場合の4倍以上36%になると報告されている. さらに,歯周病を有することによって,心冠動脈疾患の発症率が1.5倍に, 心疾患に よる死亡が1.9倍に,心筋梗塞発作が2.8倍になると報告されている
IRYO Vol.56 No.10 (594-600) 2002. 10 角 保 徳
糖尿病予防
良好な口腔清掃習慣は糖尿病に関する患者の自己効力感を高め、糖尿病の発症や悪化を予防できる可能性がある(レベル4、 推奨度 グレードB)
糖尿病患者に対する歯周病治療ガイドライン 改訂第2版
総医療費の削減
歯が0~4本残っている人は、年間57万円、歯が20本以上残っている人は、年間38万円で口腔ケアとイコールではないが口腔ケアなどをして歯周病の予防などすることで歯を残すことで20万円近く総医療費の削減につながる。(平成25年香川県における調査結果より)
支離滅裂で書き方もバラバラで公開してしましまた。
もう少しちゃんとまとめようかと思います。すいません。