口腔ケアの方法 やり方

 口腔ケアについて、細かいことよりも簡単な口腔ケアの方法や注意点などを書いてみます。

 安全な食事のために口腔ケアは必要不可欠です。口腔ケアの目的は誤嚥性肺炎予防、口腔機能の維持

食べることに関する身体の変化

 年齢とともに食べることに関して身体が変化してきます。例えば以下の通り

  • 味を感じにくくなる
  • 喉が渇いたことを感じにくくなる
  • 食欲が低下する
  • 噛む力(咀嚼力)が弱くなる
  • 飲み込む力が弱くなる(嚥下障害)
  • 唾液の分泌量が減る など

口腔ケアの前に

 ・感染予防に配慮する  

   グローブ、マスク、エプロン、周囲の衛星にも配慮が必要

 ・歯ブラシ等の衛生的扱い

  しっかり乾燥させる。水分を含んでいると雑菌が繁殖してしまう

口腔ケアの用具

  口腔ケアにはいろいろな用具があります。一般的な歯ブラシから見たことないものもありますが、用途によって使いわけますが、よく使うのは綿棒やスポンジブラシですかね

口腔ケアの実際

口腔ケアの方法(全介助の場合)

  1.  声かけをして体位を整える
  2.  口腔内外の確認をする(出血、汚れの箇所)
  3.  歯ブラシを入れ、動かしてみる
  4.  声かけをする
  5.  全体を清掃していく
  6.  途中で休憩を入れる
  7.  口をすすぐ

 ※困難な人はガーゼやスポンジブラシで清拭。

 歯が1本でもある場合は必ずブラッシングが必要。清拭や含嗽では取れません

口腔ケアの体位

 ・座位の場合

  身体を起こしている方がうがいもできて安全。目線を合わせて笑顔で声をかけましょう

・ベッドアップの場合

  無理のない範囲で身体を起こします。大事なので目線を合わせること

・臥位の場合

  起こせない場合は横向きで。麻痺がある場合は誤嚥防止のため麻痺側を上にします

口腔ケア時に起こるトラブル

 誤飲・誤嚥:バイトブロック、修復物、部分義歯、唾液、水分

 義歯の破損・消失:ティッシュにくるんでおいて捨てられたり

 口腔内からの出血

 介助者が指を噛まれてしまう

 口を開けたくない時があることも理解する

 例えば・・食欲がない時、身体がだるい時、不安が強い時、気持ちが向かない時

口腔ケア用品を入れると噛んでしまう人口腔のケア

 口をあけてくれない方もいますが、口に入れると噛んでしまう人もいます。そうゆう時は以下のことを試してもいいのではないかと思います。

顔面、口腔のマッサージ

  顎や頬等、口腔以外のところをマッサージしながら、両側の咬筋をほぐしていき、少し唇が緩んできたら、下顎を軽く押し下げるようにして口を開けます。

味つきフッ素入りペーストの使用

K-point刺激   

    左右どちらかの下顎奥歯のさらに奥の歯肉を押すと、開口反射を起こします。

  仮性球麻痺による開口困難な患者には、Kポイントを刺激すると開口が促進されます。湿らせた綿棒やスプーンで軽く触る程度に刺激します。

開口器の使用

  口腔ケア時にはあまり勧められない。どうしても必要な時は、前歯には開口器をかけないようにすること。

粘膜・舌のケア 口腔清拭法

  1.  声掛けをして体位を整える
  2.  口腔内外の確認(出血、汚れの箇所)
  3.  コップに水を入れて用意し、スポンジを湿らせる
  4.  口腔内にスポンジを入れる前には必ず水分をぎゅっと絞る
  5.  汚れを上あごから下あご、奥から手前の順にふき取る

口腔内が乾燥している場合は保湿剤を塗布して、ふやかしてから行う事で、出血防止や汚れを取りやすくできます。

手順

粘膜・舌のケアで気をつけること

  1.  やりすぎないこと
  2.  動かし方はゆっくり動かす
  3.  粘膜用ブラシ・舌ブラシ・口腔ケアスポンジを使う

 舌の汚れは、1回では取り切れないです。なので取ろうとしてこすり過ぎてしまったりするので無理せず複数回に分けて取るようにしましょう。

保湿剤の種類

 

    上の商品はあくまで例です。

保湿剤使用時の注意点

・使い過ぎに注意

・ジェルタイプの重ね塗りは厳禁

・乾燥した粘膜にそのままジェルタイプの口腔保湿剤は使用しない(水やスプレータイプや洗口液タイプの口腔保湿剤で 潤した後に使用する)

・口腔ケア時に使用できる(スプレータイプを噴霧したり、洗口液タイプをスポンジに浸して使用できる)

義歯のケア

 高齢者の方は義歯を使用しているかたが多いですよね。義歯もしっかりケアしないといけませんよね

義歯の外し方

http://www.kokucare.jp/「はじめよう!やってみよう!口腔ケア」より引用)

義歯の汚れるポイント

  • 総義歯

  粘膜にあたる内側のくぼみや、人工歯同士の間に汚れがたまりやすい

 

  • 部分義歯

  クラスプの部分が特に汚れる

  

 http://www.kokucare.jp/「はじめよう!やってみよう!口腔ケア」より引用)

義歯の清掃

  • 流水でブラシを使い、汚れやヌルヌルを取り洗い流す
  • 傷みやすいため、歯磨き粉は使わないこと
  • 割れやすいので、落としても大丈夫なように水をためた洗面器などの上で洗う

義歯の洗浄

  • 義歯を科学的に清掃
  • 効果は、殺菌・消臭・洗浄・カビ(カンジタ)溶解等
  • 容器も清掃しやすいものを使う
  • 洗浄剤を水やぬるま湯に入れる

 きれいに清掃した後で30分~1時間程度洗浄する。汚れがひどい場合は、長めに洗浄する。洗浄後は、必ず水洗すること

まとめ

 今回は口腔ケアについて書いてみました。口腔ケアは

  • 唾液の分泌促進
  • 発熱予防
  • 誤嚥性肺炎の予防
  • 認知症予防
  • 心筋梗塞・狭心症などの予防
  • 糖尿病予防
  • 総医療費の削減など     様々な効果があります。

細かく専門的な知識も大事ですが、誰でも同じように毎日、1日何回かにわけてケアができることが大事だと思います。