リハビリ研究 テーマの探し方 PICO ~evidenceのつかいかた~①
研究テーマを模索する中でエビデンスを確認することが大事になってくると思います。
前回の記事に書きましたが右図の臨床的疑問(CQ)から研究的疑問(RQ)への流れです。
先に研究されているテーマでも環境や場所によっては違うのでやってはいけないわけではないですが論文化するには新しいテーマが必要です。そのためにエビデンスを確認することが大事になるます。また、臨床をしていてわからないこと臨床的疑問(Clinical Question)があればまずエビデンスを確認することが大事です。そこに必ず答えがあるわけではないですが・・・
特にリハビリ分野に関してはエビデンスはまだ少ないのが現状です。なのでエビデンスがないと言うことはそこに研究テーマが隠れている可能性もあります。
エビデンスをつかうステップ
STEP1.臨床上の疑問点の抽出と定式化(PICO or PECO)
STEP2.臨床上の疑問点に対する情報の検索
STEP3.得られた情報の批判的吟味
STEP4.得られた情報の患者への適応の検討
STEP5.プロセスおよび結果の評価
STEP1:臨床的疑問点の定式化 【PICO(T)or PECO(T)】
P:patient(患者)
⇒どのような患者
I:intervention(介入)(E:exposure 曝露)
⇒ある治療/検査した場合
C:comparison(比較) (Control 対象群)
⇒他の治療/検査と比べ
O:outcome(結果)
⇒結果はどうなのか
(T:time frame)
観察期間などの時間の枠組み
なぜPICOを使うのかと言うと・・・ 正直 別に使わなくてもいいと思いますが、臨床的疑問を検索しやすい形式に整理する。また、論文を読むときに短時間に簡潔にまとめて把握するために必要な方法になるので始めのうちはきちんとやらなくてもいいとはおもいますがイメージすることは大事だと思います。
例① 臨床的疑問(RQ):透析中の運動療法がはやってきてるけど、透析中の運動療法はどんな効果があるのかな?透析患者は心不全を合併しているから心不全患者の運動療法の効果から考えると運動療法すれば運動耐容能とか生命予後とか影響あるのかと考えてみて
実際に透析患者の透析中の運動療法の効果をしりたいと思った場合は以下のようなPICOになります。
P:透析患者
I:透析中の運動療法
C:運動療法介入しているとしていない人
O:筋力や運動耐容能や生命予後
例②臨床的疑問(RQ):変形性膝関節症の人に大腿四頭筋を鍛えることはよくやるけど本当に意味あるのか?疼痛がとれるのか歩容がかわるのか?また変形性膝関節症の人に大腿四頭筋以外の筋肉はどうなのか
P:変形性膝関節症
I:大腿四頭筋の筋力増強運動、運動療法介入
C:運動療法介入しているとしていない人、介入方法が大腿四頭筋に特化している
O:疼痛、アライメント、歩容、QOL
まぁ大分ざっくりですが・・・・、まずはこんな感じでもいいのかなって思います。なので紙に書かなくてもいいのかもしれません。ちゃんとした人やちゃんとした研究をするかたはもっとしっかりやるのだと思います。
STEP2.臨床上の疑問点に対する情報の検索
PICOに関連したキーワードを活用して、インターネットを利用して検索する。まずは二次情報から検索してその中から気になる一次資料や新たな一次資料を検索する。
ちなみに
一次情報:専門誌や学会誌・協会誌に掲載されている独創的な学術研究の成果を理論的にまとめた原著論文などです。
二次情報:原著論文などの一次情報を要約してまとめたものでシステマティックレビュー(系統的総論)とメタアナリシス(meta‐analysis)、そしてガイドラインなどです。
・主な二次情報の検索のサイト
PEDro(The Physiotherapy Evidence Database)
ガイドライン
上の3つは基本英語ですがPEDroは日本語版ページもあります。リンクしているのでのぞいてみてください
- 二次情報の中の気になる文献やその他の一次情報の検索サイト
医学中央雑誌 (デモページ)
わたしもよくみるのですが二次情報の文献で引用・参考されている文献を詳しく見たい場合よく探します。まずは日本語のものから探したほうがとっかかりやすいです。わたしも英語はできないので英語の論文は苦しいです。他にもたくさん検索サイトはあると思いますので上記のはあくまで有名どころです。
日々忙しい仕事やプライベートの中でいろいろ調べるのは大変だと思います。手っ取り早いのは二次情報(原著論文などの一次情報を要約してまとめたものでシステマティックレビュー(系統的総論)とメタアナリシス(meta‐analysis)、そしてガイドラインなど)を活用し、大まかな雰囲気をつかむことが大事だと思います。けれどシステマティックレビューはだいたい英語なのでまずは日本語のガイドラインからでもいいのではないかと思います。
今回はここまでとします。また続きをかけそうであれば書きます。