心臓リハビリテーションに必要な心エコー①
心臓超音波検査(以下:心エコー)は心機能の評価のひとつであるとともに様々なことがわかります。心臓疾患に関わらず、いろいろな疾患で検査しています。
でも正直さまざま指標があってわかりでづらいのでわたしは苦手です。
今回は苦手な心エコーを心臓リハビリに最低限必要な知識を自分のために整理したいと思います。
心エコーで評価できること
心エコーは心臓に超音波をあてて跳ね返ってくる“エコー”をリアルタイムで画像化する検査である多くの情報を
非侵襲的に得られます。
大事なのはリアルタイムなのと非侵襲的なことが大事であり、超音波機器だけあればすぐに検査できることが利点です。
おおまかに3つにわけることができます。
1.心臓の形態の評価
計測(心腔、壁厚、血管径)、心腔のバランス、心筋や弁の形態や性状、異常な構造物、奇形、心膜液など
2.心臓の機能の評価
心筋、左室収縮能、拡張能、壁運動など
弁の逆流、狭窄、重症度など
3.血行動態指標の推定
右房圧、右心圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧、左房圧、左室拡張末期圧、心拍出量 など
心エコー法の種類
・断層心エコー
多数のエコービームが1つのウィンドウから広角に発射され,反射波から心臓の二次元断層図が抽出できる画像
・Mモード心エコー
音波以射の経時的変化を画像化するもので.断層心エコー法の長刺I断面像から設定した1方向を縦軸に横軸にして得られる画像
・ドプラ心エコー
血球に超音波をあてたときに生じるドプラ効果を利用して,任意の部位の血流速度(速さと方向)を測定・表示する方法
おおきく3つにわけられます。
断層心エコー法 |
Mモード心エコー法 |
ドプラ心エコー法 |
内部構造の形態や運動の評価 |
特定部位の形態の評価 |
カラードプラ法 |
・左房(LA)、左室(LV)、右房(RA)、右室(RV)、大動脈(Ao)の大きさ ・LV、RVの収縮・拡張(心筋の厚さや壁運動) ・弁の形状と運動 ・僧帽弁、大動脈弁の弁口面積 |
・各部の弁や心室壁の継時的変化 |
・逆流や狭窄、シャント部位などの異常血流を検出 |
解剖学的位置関係 |
主要構造の径の計測 |
連続波ドプラ法 |
・先天性心疾患などでの構造異常 |
・左室拡張終期径(LVDd) ・左室収縮終期径(LVDs) ・左房径(LAD) ・大動脈径(AoD) ・右室径(RVD) ・心室中隔厚(IVST) ・左室後壁厚(LVPWT) ・1回拍出量(SV) ・左室駆出率(EF) |
・血流速度測定し、波形として記録 ・高速な異常血流の速度計測 ・圧較差や心内圧の推定 |
その他の異常所見 |
パルスドプラ法 |
|
・echo-free space、解離腔、腫瘍、血栓など |
・血流速度を波形として記録 ・心拡張能の評価が可能 |
1.心臓の形態の評価 ➡ 断層、Mモード
計測(心腔、壁厚、血管径)、心腔のバランス、心筋や弁の形態や性状、異常な構造物、奇形、心膜液など
2.心臓の機能の評価 ➡ 断層、Mモード、ドプラ
心筋、左室収縮能、拡張能、壁運動など
弁の逆流、狭窄、重症度など
3.血行動態指標の推定 ➡ ドプラ
右房圧、右心圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧、左房圧、左室拡張末期圧、心拍出量 など
心臓リハビリにおける心エコーで知りたい情報
- 基礎疾患は何か?
- 心疾患の有無と重症度 運動負荷が禁忌かどうか
- 心機能
- 体液量の管理
- 心不全の管理状況 増悪があるかないか
この5つの項目も心エコーでわかります。そのため心臓リハビリを行う上では心エコーの結果を確認することは非常に大事になります。
また、運動療法による効果の判定も心エコーでも可能となります。
心エコーの略語
心エコーってやたらと英語などが多いですよね。
わたしも毎回わからなくなりますというか忘れてしまいます。
まだ記載途中ですが、心エコーで使用される英語の略語を書いてあります。
まとめ
心臓リハビリをする上で最低限必要な心エコーの基礎知識を書いてみました。
心エコーは断層心エコー・Mモード心エコー・ドプラ心エコーのおおきく3つにわけられます。
心エコーでは心臓の形態・機能の評価と血行動態指標の推定が可能となります。
心エコーでは心臓リハビリで必要な以下の内容とリハビリの効果判定もかのうとなる。
- 基礎疾患は何か?
- 心疾患の有無と重症度 運動負荷が禁忌かどうか
- 心機能
- 体液量の管理
- 心不全の管理状況 増悪があるかないか
これらの情報がわかると心臓リハビリを行う上での禁忌や負荷量などを決定できるため重要です。
心臓リハビリ学会の心不全のリハビリに必要な評価内容でも心エコーは記載しているため、必ずチェックをしたほうがいいですね。
細かい内容は今後書いていこうかと思います。