心臓リハビリテーション指導士 合格率 試験の難易度

2019年5月7日

今回は心臓リハビリテーション指導士について書いてみます。

心臓リハビリテーション指導士を取得したからといって直接的に給料等にかわることは今のところない?(たぶん、わたしも全くかわらないので)と思いますが就職活動では心臓リハビリやっているとこでは優位であったりするかもしれません。もしかすると今後、心大血管リハビリテーション料算定要件に必要になるかもしれません。

(2)心臓リハビリテーション指導士の研修に対する本学会の見解

診療報酬制度における心大血管リハビリテーション料算定要件として、「心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する専従の理学療法士又は、常勤看護師」とあります。ここでいう経験を有するという疑義解釈で、厚労省は専門的な研修の例として「日本心臓リハビリテーション学会の認定する心臓リハビリテーション指導士の研修等がある」としています。当学会の見解として、「日本心臓リハビリテーション学会の認定する心臓リハビリテーション指導士の研修は、心臓リハビリテーション指導士試験に合格し、指導士の資格取得をもって研修が終了したものとする。」ということが理事会で再確認されました。

日本心臓リハビリテーション学会ニュースレター 第5号
JACR Newsletter Vol. 5 (2017.08.28)

となっているため今後として算定に必要になってしまう可能性はありますが現状困る病院がたくさんあるためすぐにはならないと思いますが指導士を取得する意味はでるかもしれませんね。

心臓リハビリテーション指導士とは

心臓リハビリテーション(以下心臓リハビリ)は、かつては急性心筋梗塞後の離床とデコンディショニング(脱調節)予防が主たる目的でした。しかし、近年では再灌流療法やCCUの普及、心臓手術の進歩により早期離床・早期退院が可能となったため、冠危険因子是正による二次予防(再発予防)のための心臓リハビリへと目的が変わってきています。

つまり心臓リハビリは単に運動療法のみを行っていれば事足りるものではなく、食事療法や禁煙指導を含めた包括的リハビリを目指すべきであり、そのためには、医療専門職間の連携や共同作業(チーム医療)が必要となります。

また、チームが円滑に機能するためには、心臓リハビリに関する共通認識と知識や用語の共有化、定期的なカンファレンスやミーティングなども行う必要があります。このような状況の中、日本心臓リハビリテーション学会は、心臓リハビリテーション指導士(以下、心臓リハビリ指導士)の認定制度を2000年に発足させました。

試験の合格率

合格 不合格 合格率

H30年(第19回)

595 386 60.7%

H29年(第18回)

555 276 66.8%
H28年(第17回) 510 285 64.2%
H27年(第16回) 484 201 70.7%
H26年(第15回) 425 168 71.7%
H27年(第14回) 422 153 73.4%
H26年(第13回) 371 108 77.5%
H25年(第12回) 271 79 77.4%
H24年(第11回) 211 45 82.4%
H23年(第10回) 155 55 73.8%

過去10年の合格率です。受験者数も増えていますが合格率も下がっていますがここ数年の合格率は6割程度ですかね。わたしも受けたことありますが結構難しかったです。

受験・出願資格

心臓リハビリ指導士資格認定試験を受験する者は、

  1. 本委員会主催の講習会を当該年度に受講していること
  2. 医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、臨床心理士、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有していること
  3. 申請時に本学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員歴があること。(毎年4月が出願時期ですので4月で入会2年たっていないといけません)
  4. 心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。

以上の4条件を満たす必要があります。また、受験申請の際には10例の症例報告(自験例報告)を提出する必要があります。そのうえで、書類記載の誤りや会費納入状況を調査して受験許可をします。

心臓リハビリ研修制度

 上記4.受験資格である実地経験が1年以上あることとありますが自分の病院にない人も受験できるようにしたのが研修制度です。3月末ごろ、HPに研修についての募集要項が掲載されます。今年からは例年と異なり研修期間が6月末からに早まり、翌年3月末までの研修期間となります。書式一式が掲載されますので、よく要項を読み書類を調えます。A申請書類 B所属長の推薦状の2点が申請書類です。申請期間に書類を事務局へ郵送し、Aについてはメールでも合わせて申請します。5月下旬頃にはマッチングを終了し、研修施設が決定しますので各申請者が各施設の研修担当先生と連絡をとり、日程を決定します。

参加条件:心リハ学会の会員歴が、次回の指導士受験応募開始時(毎年4月)に連続して2年以上になっている方。指導士受験希望があり、心リハの経験がないために受験条件を満たせない方

研修参加費:3万円

40時間の研修を行います。10症例の症例報告についての指導も同時に受け、報告書を仕上げます。わたしは5日間でした施設によって多少指導方法等は異なると思いますが大まかに5~6日です。他施設に1週間勉強させてもらえるのですごい勉強になりました。

研修施設(全32施設):北海道大学病院・岩手医科大学附属病院・東北大学病院・獨協医科大学日光医療センター・獨協医科大学病院ハートセンター・群馬県立心臓血管センター・埼玉医科大学国際医療センター・順天堂大学医学部附属順天堂医院・昭和大学病院・帝京大学医学部附属病院・榊原記念病院・東海大学医学部付属八王子病院・聖マリアンナ医科大学病院・北里大学病院・やわたメディカルセンター・藤田医科大学ばんたね病院・京都府立医科大学附属病院・国立循環器病研究センター・関西医科大学附属病院・枚方公済病院・神戸市立医療センター中央市民病院・兵庫県立尼崎総合医療センター・岡山大学病院・国立病院機構岡山医療センター・岡山赤十字病院・津山中央病院・徳島大学病院・久留米大学医療センター・九州大学病院・JCHO 九州病院・福岡大学病院・鹿児島大学病院

 毎年研修施設が増えており、全国にもあるので昔より研修にいきやすくなりましたね。研修が終われば、上記4の要件を満たすとともに10症例の症例報告(自験例報告)で落とされることはありません。ちなみに受験資格認定証は4月上旬でギリギリに届くので心配になりますが大丈夫でしたよ。

申請書類・出願方法

 毎年、だいたい4月ごろにHPに掲載されます。表紙、受験・講習会申込書、推薦状、自験例報告書などがあります。

受講料・審査料

受講料 10,000 円(第一部免除の方は 4,000 円)、審査料 15,000 円

ただし、2年間以上の会員費用がかかるので年会費は医師以外8000円  紙媒体の学会誌送付を希望しない場合6000円になります。

講習会の概要(予定)

毎年学術集会2日目の終了後に講習会第一部前半、3日目の午前中に講習会第一部後半、午後に講習会第二部があります

講習会第一部前半

 ・総論 運動生理学・運動心臓病学

 ・運動処方 心リハプログラム(急性期・心臓術後)

 ・運動処方 心リハプログラム(回復期・維持期)

講習会第一部後半

 ・救急処置・安全管理

 ・心肺運動負荷試験実習

講習会第二部
 ・総論 病態生理・診断治療

 ・栄養学

 ・臨床心理学

試験

来年までは学術集会終了日の次の日(だいたい海の日)に講習会第二部終了後に試験があります。でもこの予定は2020年までみたいです。

学術集会に合わせて行われる心リハ指導士講習会・試験の応募者と受験者が年々増加しており、会場の確保が難しくなってきていることから、講習会は学術集会会期中に行い、試験のみ8月初旬の東京で開催することが理事会に承認され、2021年より施行することが決まりました。

日本心臓リハビリテーション学会ニュースレター 第5号
JACR Newsletter Vol. 5 (2017.08.28)

筆記試験は、50問/60分の設問に対し、五者択一、一部2問選択のマークシート方式です。平均点以上とれていれば合格になるようです。ここ5年の平均点は60点前後で、60点以上とれていれば合格なことが多いですね。

合格発表
後日学会および指導士ホームページにてお知らせします(試験から約 1 ヶ月後)。その後合格者には認定証を発送いたします。

資格更新

心臓リハビリテーション指導士は 5 年ごとに更新が必要です。
 更新の条件
・5 年間に、更新のための認定講習会等に参加して 50単位以上取得しており、期間中に日本心臓リハビリテーション学会学術集会に最低 1回参加している。資格更新料 10,000 円
・申請書類を事務局に送付済みである(場合によってはFAXも可能)。
*最終の更新書類一式は、学術集会終了後、その範囲も反映させたうえで 8 月下旬頃事務局から郵送します。自己申告分の単位も、 最終更新書類一式が届いてから申請してください(それまでに届いたものはすべて返却しております)。

心臓リハビリテーション指導士認定医・上級指導士 

とりあえず、心臓リハビリ指導士についてまとめてみました。研修制度は3万円とお高いですが自施設で10症例を書けない場合はおすすめですし、勉強になりますのでおすすめです。研修制度は今年も一日で募集締め切りになっているため指導士試験を受けるとともに研修制度を利用する場合はおおよそ研修制度は4月、指導士は3月に募集要項がでますのでHPを常にチェックしてもらうといいかと思います。

私としては勉強にもなりますし、呼吸療法認定士より心臓リハビリ指導士のほうがおすすめです。興味があれば指導士を取得してみてください。

資格取得までの予定

現在は2019年5月だともう2021年には間に合わないので2022年を目標にするとなると

 

2020年4月までに心臓リハビリテーション学会会員になる。

2021年4月に研修制度を受ける人は募集要項をチェックしてできるたけ募集開始日に郵送する

2022年3月に指導士の募集要項をチェックする

2022年7月学会中の講習会に参加

     8月に指導士試験受験

今後は試験についてや勉強方法も書いていこうかと思います。