胸部レントゲンの見方 チェックポイント
胸部画像(正面)②
撮影条件・方向
- すべての肢位でも第6胸椎を中心にして最大吸気位で撮影する。
- 正面はAP像かPA像がある。
( “後ろ(posterior)から前(anterior))
- PAはⅩ線を出す機械が背中側から出され、フィルムが前方にある。
- APはPAの逆である。
PAはⅩ線室での立位での撮影は基本的にPA。
自分でも撮影したことあると思いますが左図のように前方(胸側)にフィルムを抱きかかえます
APは座位での撮影が多い
ベッドサイドで技師さんがベッドアップで撮影しているとき、「背中に固い板いれますね~」で患者さんに声かけていますよね。あれはフィルムを後方(背中側)にいれるからです。
APとPAの違いは?
- PAはフィルムの近くに(前胸部)心臓が位置するため、実際に近い状態で撮影される。
- APはフィルムが背中にあるため前縦隔に存在する心臓と縦隔の陰影はPAより大きく写る。
なのでX線で経過をみるときにPAとAPが違うとCTR(心胸郭比)などは変わってしまうことになる
正常画像(正面)の基準は?
- まずチェックすること!!
肺の大きさは姿勢や呼吸周期で異なるため、患者が最大吸気位で撮影できる人か?
経過を追う場合は同じ肢位で撮影できているか?
- 画像の位置を確認する場合は‥‥
◎鎖骨頭が第4肋骨に重なっているか?
◎左右の鎖骨頭の距離が脊柱と等距離か?
◎脊椎の棘突起が正中線にあるか?
などを確認してから画像をみるとよい
- 正常画像(正面)で何がみえる?
心臓、肺、鎖骨、肋骨、縦隔、気管、気管支、横隔膜、大動脈弓、肺動静脈、胃泡などがみえる。
横隔膜
- 横隔膜は胸腔と腹腔を分ける位置にある。右側は左より約半肋骨ほど高い。だいたい第6肋骨前部と第10肋骨後部の高さとされている。
- 横隔膜と側胸壁とつくられる部分を肋骨横隔膜角(costophrenic angle:CP angle )という。正常では鮮明で鋭角で確認できる。
- 胸水や閉塞性肺疾患は鈍角となることがある
気管
- 画像の中央に縦隔とともに気管から主気管支まで確認できる。
- 右約25°・左約45°で、通常75°以下である。
- 胸腔内肺気量を反映しているので無気肺や肺炎など陰影側は胸腔内肺気量が低下している側に気管が偏位する。逆に一側の胸水の貯留の場合、健側に偏位する
- 気管支拡張症では気管支の拡大や石灰化でより末梢気管支まで確認できる(正常は1.65㎝)
縦隔
縦隔には心臓、心大血管、気管・気管支、食道、胸腺、リンパ節、神経などが存在し、これらは疎性結合組織によって取り囲まれている。
途中ですがとりあえずここまでにしようかと