リハビリの研究について

2019年5月9日

わたしも臨床をしているものですが研究ってやろう!!!って思わないとなかなかやる気にならないし、教えてくれる人がいないと出来ないって思いますよね。

わたしも研究をしたことありますが結局プライベートの時間が減ってしまうし、やったからといって給料も変わらないし研究をする利点を見出すのがなかなか難しいですよね。そこで今回は研究について書いていきます

研究とは

・良く調べ考えて真理を極めること。(広辞苑)

・物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること。また、その内容。(大辞泉)

とあります。

google scholarの検索ページに「巨人の肩の上に立つ」ってありますよね

私たちは巨人の肩の上に乗る小人のようなものだとシャルトルのベルナールはよく言った。私たちが彼らよりもよく、また遠くまでを見ることができるのは、私たち自身に優れた視力があるからでもなく、ほかの優れた身体的特徴があるからでもなく、ただ彼らの巨大さによって私たちが高く引き上げられているからなのだと。

その意味するところは、偉大な先人たちの業績や先行研究などを巨人に喩えて、現在の学術研究の新たな知見や視座、学問の進展といったものもそれらの積み重ねの上に構築され、新しい知の地平線が開かれることを端的に示した言葉とされる。

研究って聞くだけで苦手意識がでてしまうと思います。でもなんでストレッチやマッサージしているの?なんで呼吸音を聞くの?解剖や生理学もすべては基礎研究から明らかになってきているので自分で必ずしもやらなくてもいいと思いますがやり方や解釈はわかってたほうがいいですよね。

臨床でわからないことや疑問などたくさんあると思います。

その答えは調べますよね?答えがあればいいですが、答えがないことも多い

例えば、普段の生活でも電力自由化やガスの自由化や格安スマホなど安くなると言われると調べますよね?

そうゆうときは研究って気張らなくても自分で調べてみることも大事かと思います。

臨床での想起される疑問例

原因:なんでこんな症状が起きるのだろう

評価:この障害を表すための適切な評価法は何なのだろう

治療法:この治療方法の有効性は

この治療に妥当性はあるのか

この治療の量は適切なのか

予後:この障害はどんな経過か

機能的帰結を決定する因子は何なのだろう

このような疑問からも研究のテーマが浮かんでくるかなーと思います。

臨床上のジレンマとマンネリ化

①患者に個別性プログラムを実施しているか

プログラムの固定化;自分の技術に患者を当てはめる傾向、どの患者にも同じ方法を実施

②定量的な評価と治療プログラムのギャップ(量的判断)

観察、評価の不足;日ごろから注意深い観察しない、定量的な評価がない

③定性的な評価をどのように捉え、記述するか(質的判断)

日ごろから注意深い観察しない、定量的な評価がない;例えば、脳血管障害などで画像所見と運動機能のミスマッチなど 画像所見の知識がないと珍しいかどうかもわからない

④治療効果をどのように呈示するか(群研究、一般化の困難さ)

対象の多い研究などでも必ず外れ値を示す症例がでてくる。臨床でもそうゆう症例がおり、検討の必要性は十分にある。ポジティブもネガティブともに

⑤内部観察(目に見えない部分)への傾斜

⑥経験主義からの脱皮は進んでいるか

うまくいかない場合に別の視点から考えて検討する。例えば服薬などは効果がなかったり副作用がでたら違う薬をためしたりするがリハビリも同じである。自分のやっていることに疑いをもつことや疑問をもつことが大事であるが職場の環境なども影響する

病気(病名)だけをみると、前にも同じ病気(病名)の人をみたから同じことをやっておけばいいかってなりますよね!この経験則はすごく大事ですし、とっかかりはいいと思いますが、マンネリ化すると疑問に思うことも減りますよね?そこからだと疑問が生まれてこなくなってしまいます。

臨床から研究的疑問

臨床的疑問(Clinical Question;CQ):臨床的疑問のことであり,病態・評価・治療・リスク・予防に関するものなど様々な種類があります

臨床推論(Clinical Reasoning;CR):患者の目標そして健康管理の方略の構築を,臨床データや患者の意思,そして専門家としての判断や知識に基づいて患者を援助する過程のことである。

臨床判断(Clinical Decision Making;CDM):臨床活動において,評価や治療の方法などを選択することをいいます

研究的疑問(Research Question;RQ):臨床的疑問に倫理面や経済面などの条件を満たしたうえで臨床研究の対象となるものをいいます.先行研究をレビューし,わかっていることとわからないことを把握した上で,臨床的意義があり実現可能な条件を満たしたものがリサーチクエスチョンとなります.

臨床的疑問から臨床判断までで普段の臨床は再評価して確認していきますが、そこから研究的疑問につながっていきます。なので普段の臨床から臨床研究のテーマはひらめいてくるはずです。よき臨床家はよき臨床研究者になってもおかしくありません。

EBMの定義

疑問を解決するために調べているとエビデンスということばはあります。

EBM=Evidence-based Medicine  evidence=証拠

個々の患者のケアについての臨床判断を下すにあたって、現在の最良のエビデンスを思慮深く、明示的に、かつ良心的に用いること。入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針。

EBMが現在のように世界的な規模で注目されるようになった背景には、(1)科学的な根拠に基づいた臨床判断の必要性に対する医療者側の意識が高まってきたこと、(2)患者や家族がインターネットを利用して医療情報を入手しやすくなったことにより、医療の内容・質に対する患者側の意識が高揚してきたこと、(3)インターネットを利用して、コクラン共同計画などのエビデンス・データベースから、質の高い臨床研究の結果を効率よく入手できるようになったこと、(4)臨床疫学や統計学の進歩により、根拠となる臨床研究のデザインや方法論、妥当性・信頼性を判断するため基準が整備されてきたこと、(5)医療の標準化と効率化を求める行政側からの要求が高まってきたこと、などが影響しているものと考えられます。

EBMは、このような社会の要求と技術革新を背景にしていますが、EBM自体の有効性・効果を証明するエビデンスが乏しく、まだ明確な結論は出ていません。また、医療の標準化と効率性はEBMの本来の目的ではありませんが、EBMが医療の質を向上させつつ医療費の削減に貢献できるかも議論されています。理学療法の置かれている背景も同様であり、新しい技術や理論を積極的に取り入れ、第三者を納得させることのできる根拠を提示して社会的な要求に応える必要があると思われます。

公益財団法人 理学療法士協会 EBPTチュートリアルより

EBMだけにこだわるのがすべてではないですが、エビデンスをつかえば100%よくなるわけでもありませんがまずエビデンスを知らないと用いることもできません。また、何か事故などあったときに自分を守る証拠にもなりますのでチェックはしておいて損はないと思います。

研究から話が少しそれてしまいましたが研究をするにあたって、臨床の疑問を整理していみることやEBMとかをしっていることは大事になってきますし研究テーマも浮かんでくるかもしれません。

次回はエビデンスを利用する方法を考えたいと思います。