抜管後48時間のベンチュリマスクと比較したNHFの有用性
抜管後48時間の酸素療法をNHFとベンチュリマスクの無作為化比較試験です。
ベンチュリマスクと比較して、抜管後期間におけるNHFシステムの使用は、同じセットFiO2のベンチュリーマスクと比較してより良好な酸素化をもたらす。 さらに、NHFはPaCO2と呼吸数を減少させながら、患者の快適さを改善し、インターフェイスのずれと酸素飽和度低下のエピソードを減少させる
目的
抜管後に酸素療法を必要とする急性呼吸不全重症患者において、NHFが酸素化を改善できるという仮説を用いて、NHFとベンチュリマスクの酸素化を比較する無作為化比較試験を行った。また、快適性、有害事象および臨床転帰についてもの2つの装置の効果を検討した
方法
無作為化対照試験 前向き イタリアの2つのICU (Rome and Novara).
24時間を超えて人工呼吸器装着患者は登録のためにスクリーニングされた。 患者は自発呼吸トライアル(SBT)に合格し、SBT終了時にPaO2 / FIO2が300以下の患者
除外基準:18歳未満、妊娠、気管切開術および抜管後の非侵襲的換気(NIV)が計画的に必要患者。 SBTの3回以上の連続失敗、およびSBTの直前に毎分25回を超える呼吸数、PaCO2が45mmHgを超える患者
抜管直後にランダムに割り付けた。 両群ともFIO2SETしSaO2 92~98%(高炭酸ガス血症患者では88∼95%)の間で調整した。 NHFを用いた場合、ガス流量は50L/分であった。 ベンチュリマスクまたはNHFを48時間またはICU退出まで適用した。
Outcome:動脈血ガス分析、SaO2、FIO2SET、呼吸数、平均動脈圧、心拍数、および患者の不快感を1、3、6、12、24、36、および48時間目に記録した。
患者の不快感は、ICUでインタフェース(顔面マスクまたは鼻カニューレ)および気道乾燥の症状(口、喉、および鼻の乾燥)、飲みにくさ、およびのどの痛みの両方に関連する不快感を評価を NRS0(不快感なし)から10(最大不快感)までの評価尺度を用いた。
統計:グループ間の連続変数は分散分析、カテゴリー変数はΧ二乗検定を実施(p<0.05)
結果
2010年11月~2011年4月 急性呼吸不全患者105人(肺炎46%、外傷22%他) 平均年齢64±17歳、Simplified Acute Physiologic ScoreⅡ(SAPSⅡ) 43±15点、人工呼吸器装着期間 4.9±3.9日、PaO2 91.6±21.9mmHg、 PaO2/FIO2SET 240.6±46.7、SaO2 97.0±2.3%, PaCO2 35.3±7.3mmHg、呼吸数 23±5回/分
NHF vs ベンチュリーマスク
PaO2/FiO2 :24時間後(287.2 ± 74.3mm Hg vs. 247.4 ± 80.6 mm Hg; P = 0.03)
36時間後(310.8 ± 87.7 mm Hg vs.233.2 ± 75.8 mm Hg; P = 0.0003)
48時間後(313.3 ± 83.8 mm Hg vs. 250.2 ±110.1 mm Hg; P = 0.01)
PaO2:36時間後(97.5±29.2mmHg vs. 85.4±16.3mmHg; P = 0.04)
FIO2SET:研究期間すべての時間でNHFが有意に低かった。(35.1±8% vs. 39.3±9.1% on average in the 48-h study period; P =0.014).
SaO2:すべて時間でNHFが有意に高かった
PaCO2:NHFが全体的に低かったが、3時間後は有意に低かった(32.3±7.1mmHg vs. 36.2±11mmHg;P = 0.04)
呼吸数:NHFがすべての時間で平均4±1回/分有意に少なかった。
HRと平均血圧はどちらともおなじような値であった。
Patient Discomfort
インターフェイスに関連する不快感は12時間後からNHFシステムで有意に低かった。 同様に、気道乾燥の症状に関連する不快感は、24時間後からNHFで有意に低かった。特に、ベンチュリマスクと比較してNHFの使用は口の乾燥に関連した不快感の減少と関連していた(48時間研究期間中の平均 3.6±2.5 vs 5±3.1;P = 0.016)、のどの乾燥 (2.7±2.4 vs 4.5±3.3; P=0.002)、飲み込みにくさ(2.5±2.6 vs 4.1±3.4; P = 0.007)、のどの痛み(1.7±2.1 vs 3.1±3.4;P=0.008)
Adverse Events and Clinical Outcomes
NHFグループでは20(患者あたり0.4エピソード)、ベンチュリマスクグループでは89(患者あたり1.7エピソード)の合計109のエピソードのインタフェース交換があった(P、0.001)。 ベンチュリマスクを使用した場合よりもNHFを使用した場合のインタフェースを変更した患者は少なかった(それぞれ17 [32.1%]対29 [55.8%]患者; P = 0.01)。
ベッドサイド臨床モニターで検出された218件の酸素飽和度低下があった:NHFを伴う40件(患者あたり0.8)およびベンチュリマスクを伴う178件(患者あたり3.4;P=0.001)。 電子的に検出されたのも(21 [39.6%]対39 [75%]患者; P=0.001)、看護師による検出でも(10 [18.9%]対27 [51.9%]患者); P=0.001)NHF群が少数であった。
48時間の研究期間中に、22人の患者が何らかの人工呼吸器を必要とする急性呼吸不全にて挿管を患っていた:NHF群で4人の患者(7.5%)および対照群で18人の患者(34.6%)(p=0.001)。
NIVを受けた患者は少なく(P = 0.04)、ベンチュリマスクを用いた場合よりNHFを用いた場合(P、0.01)に気管内挿管が必要でした
ICU滞在中の48時間の研究期間の後、9人の追加患者が再挿管された(NHF群とベンチュリマスク群でそれぞれ4人の患者[7.5%]対5人の患者[9.6%]; P = 0.71)
A post hoc analysis showed that weaning was simple in 63 patients (58% vs. 62% of patients in the NHF group and in the Venturi mask group, respectively; P = 0.75), difficult in 21 patients (17% vs. 23%; P = 0.43), and prolonged in 21 patients (25% vs. 15%; P = 0.24).
ICU滞在期間に差はなかった(それぞれ11.7±10.2 vs 10.4±8.5日、NHFとベンチュリマスクを用いた; P = 0.44)。また、死亡率(11.3% vs 9.6%; P = 0.77)も差がなかった。
ICUにおける死亡率は、人工呼吸器から離脱患者よりも再挿管された患者においてより大きかった(31.8% vs 4.8%; P = 0.001)
結論
結論として、ベンチュリマスクと比較して、抜管後期間におけるNHFシステムの使用は、同じセットFiO2のベンチュリーマスクと比較してより良好な酸素化をもたらす。 さらに、NHFはPaCO2と呼吸数を減少させながら、患者の快適さを改善し、インターフェイスのずれと酸素飽和度低下のエピソードを減少させる。最終的に、NHFは抜管の保護における十分な役割に値することを示唆する。
この文献はポイントは抜管後48時間までの結果だということと快適性をNRSを使用して調べているところだと思います。